「肉料理には赤ワイン」といわれていることからも分かるように、ステーキとワインの相性は抜群です。では、一体どんなワインがステーキによく合うのでしょうか?
本コラムでは、ステーキにワインが合う理由について説明したあと、ステーキに合うワインの上手な選び方や、おすすめのワイン5選についても紹介していきます。
目次
ステーキにワインが合う理由とは?
美味しい料理には美味しいお酒が欠かせません。料理に合ったお酒を楽しむことを「マリアージュ」と呼び、世界中で広く楽しまれています。色味や味わいの異なる赤ワインと白ワインですが、ブドウやブドウ果汁を発酵させるという基本的な製法は変わりません。
黒ブドウを利用した赤ワインは、絞った果汁に果皮を漬け込み、色素をしっかり出すことで鮮やかな赤色になります。
白ブドウを利用したのが白ワインで、黒ブドウと違い鮮やかな緑色の果皮のため、琥珀色の透き通ったワインが出来上がります。
中には、黒ブドウ果皮を取り除き果汁のみを発酵させた白ワインも存在します。スッキリと繊細で飲みやすい白ワインは、味の淡白な野菜や鶏肉、魚料理と相性が良いとされ、赤ワインはブドウの品種にもよりますが、重厚で牛肉や羊肉など、味のしっかりしたお肉との相性が良いとされています。
ステーキに合う秘密は「タンニン」にあり!
ステーキに赤ワインが合う理由の1つとして、「タンニン」の存在が挙げられるでしょう。ブドウの皮に多く含まれるタンニンは渋みを感じる成分で、タンパク質に結合する性質があります。ステーキを食べた後にタンニンが含まれた赤ワインを飲むと、タンパク質の付着したステーキの脂を洗い流してくれます。赤ワインを飲むと口の中がさっぱりとするのはこのためです。
ステーキに白ワインは合わない?
白ワインはステーキに合わないのでしょうか?赤ワインがステーキに合うというのは、あくまで一般論。ワインは赤白問わずブドウの品種や産地、熟成の度合いによって大きく味の変わるお酒です。
赤ワインでも物によってはステーキに合わない場合もあるので、ステーキに白ワインは合わないと決めつけるのは早計といえるでしょう。
ステーキに合わせるワインの選び方
では実際にステーキに合わせるワインをどう選べば良いのでしょうか?上記で述べたように赤ワインだから、と決めつけてワインを選んでしまってはマリアージュを楽しめない可能性も考えられます。この項では、ステーキに合うワインの選び方をご紹介します。
「ボディ」とは?ワインの飲みやすさを示す表現
ワインをお店で頼む際、「ミディアムボディ」や「フルボディ」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「ボディ」とは、ワインのコクや渋味、重さ、力強さを表す表現で、飲みやすさの目安と考えても良いでしょう。
「ライトボディ」と記載があれば、口当たりが軽く飲みやすいワインで、「フルボディ」と記載があれば重厚な飲み口のワインと分かります。
味の好みにもよりますが、脂のしっかりとしたステーキを食べる場合は「フルボディ」が、サッパリとした赤身肉を食べる場合は「ライトボディ」のワインをチョイスすると良いでしょう。
ソースに合わせる
ステーキを食べる際はソースに合わせてワインを選ぶのもおすすめです。バターなどをたっぷり使った重厚なソースの場合は、ソースの味に負けないように「フルボディ」のワインを、あっさりとした味付けの場合は軽めのワインを選ぶと良いでしょう。
色や香りに合わせる
ソースの味がわからない場合は、色で判断するのもおすすめです。一般的に味の濃いソースは色が濃いことも多く、迷った場合はソースの色で判断するのも1つの手です。
また、スパイスをふんだんに使ったステーキやソースの場合は、スパイス香のあるワインがおすすめ。ワインの中にはナツメグやコショウ、シナモンなどのニュアンスを感じるものもあり、料理の香りに合わせてワインをチョイスできると、マリアージュの世界がより広がりますよ。
ステーキと相性のいいワイン5選
ワインに使うブドウには多くの品種があり、それぞれ味わいが異なります。産地や農家、樽で寝かせた年数によって更に味が細かく変わりますが、品種ごとに味の方向性は似てきます。
代表的なブドウの品種と特徴を覚えておけば、料理に合ったワインを選べるでしょう。この項ではステーキと相性の良いブドウ品種を5つ紹介します。
カベルネ・ソーヴィニヨン
フランスやイタリア、オーストラリアなど世界で最も広く栽培されている品種の1つで、黒ブドウ品種の王様ともいわれています。
カベルネ・ソーヴィニヨンで作られたワインはフルボディのものがほとんどで、力強く濃厚な赤ワインらしいどっしりとした味わいが特徴です。サーロインステーキや、ロースステーキなど、脂が多く味わいのしっかりしたステーキに合わせる際はカベルネ・ソーヴィニヨンがおすすめです。
シラー(シラーズ)
南フランスのローヌ地方で多く栽培されているブドウがシラーです。似た名前に「シラーズ」という品種のブドウがありますが、この2つは同一種。南フランスで栽培されるものをシラーと呼び、オーストラリアで栽培されているものをシラーズと呼びます。
コクがありブラックベリーやコショウを思わせるスパイシーな味が特徴で、タンニンはやや控えめです。渋味が強すぎるワインは苦手、という方はシラー/シラーズのワインを選ぶと良いでしょう。スパイシーな味わいのおかげで味の濃いソースとも相性は抜群ですよ。
メルロー
まろやかで丸みのある味わいが特徴の品種がメルロー。フランスやイタリアなどの地中海沿岸にかけて広く栽培されている品種です。
プルーンのような果実香もあり、酸も比較的強くないため、酸っぱいワインが苦手な方にもおすすめです。総じて赤ワインの中では飲みやすい品種なので、赤ワインに苦手意識のある人でも親しみやすいといえるでしょう。
ピノ・ノワール
口当たりが軽く、フルーティーで上品な味わいなのがピノ・ノワールです。フランスのブルゴーニュ地方を代表する品種で、味わいが軽やかなためフィレ肉やシャトーブリアンなど、繊細な味わいの部位を食べる際にはぜひお勧めしたいワインです。タンニンが柔らかく渋味を少ないため、赤ワインが苦手な方や、ワインを飲んだことがない方にもおすすめできる品種です。
シャルドネ
「白ワインの女王」と呼ばれる、フランスのブルゴーニュ地方が原産の世界41カ国で栽培されている白ブドウ。キリッとした切れ味のある味わいを軸に、気候や製法で味わいが変わるのが特徴です。
涼しい地域では青い果実や柑橘系の香り、暖かい地域では白桃やメロン、パイナップルなどトロピカルなニュアンスも楽しめます。
おわりに
お肉料理の王様であるステーキ。より美味しく味わうためには、相性の良いお酒を選ぶことが大切です。美味しいお酒が用意できたらあとは美味しいお肉を用意するだけ。高品質な和牛から名店の味をご自宅で楽しめる料理ギフトまで。美味しいお肉を選ぶ際は、ヤザワミートをご利用ください。